2017年7月17日月曜日

2017年の新車の顔つきは、悪い。

車のフロントマスクは人形の顔と同じだ。そこに表情が宿り、魂が宿る。

2017年の新車の顔つきは、悪い。
もちろん全部とは言わぬが人相が悪いのだ。

車種名など出すのも忍びないのだがトヨタのワンボックス、ミニバンはひどい。
本来ファミリー向けの車種であるはずのあの手の車。ラインアップを見ると非常に人相が悪い。しかも顔だけ悪くて、しかし変えようもないボディは顔が悪顔だけに余計ずどーんと間延びして見える。その仕上げにテールライトを目尻だけあげていっちょあがり、と仕上げている。車がかわいそうに見える。モデルチェンジが進めば進むほど人相悪く、その上大味になってくる。

この流れ、思うに車を2台買う、家庭用とお父さんのかっこいいやつ、などの文化が経済悪化とともに廃れ、お父さんの立場も弱くなり、そういう中でお父さんが決定権を持っていたはずのクルマ選びはいつしかお母さんにその実権が移った。買い物に便利、子供のため、旅行、帰省にもいい。いろいろある中でミニバンというジャンルはいつしか白物家電的進化を遂げる。ところがそれと相反するように顔つきは悪くなり、デザインやら元々あったコンセプトやらがどうもちぐはぐな謎めいたものになってきている。そういう流れがある気がしている。

そういう厳しい状況の中でお父さんが唯一の方法としてせめて顔だけかっこいいのを選ぼう、となる。ところがミニバンと言われる車のニーズはいわゆるヤンキー文化とも深く結びつき、カッコいい=悪っぽいという残念なチョイスになっており、その中でお父さんが選択をせざるを得なくなっている。

そんな車を選んだお父さん。子供達とドライブに出るが、どうも今までの車とは様子が違う。追い越し車線を走れば前の車がどく。止めてあるとなんだか強そうに見える。黒を選んでよかったなあ、とお父さんは思う。
そういう中でお父さんの中に変化が起きる。追い越し車線からのかなくなる。割り込む、乱暴な運転になってくる。だってこの車に乗ってる俺って悪っぽくて強そうだから大丈夫だろう。それで、たまにメルセデスの本当に悪い人が乗ってるやつに脅されたりなんでもない、ミニバンとはまた別の謎進化を遂げたSUV系の人に幅寄せされたりして震えたりしょんぼりしたり、なんだこのやろーとなったりする。もうそこには優しかった温厚なお父さんの姿はない。
今度は負けない。ボーナスでエアロをつけよう。お母さんに気がつかれないように1インチだけローダウンしよう。そうだ、おこずかいでできるぞ、悪そうなステッカーを貼ろう。流行りのライトの上を斜めに潰す黒いシールも買おう。

そこにはお父さんとは違う知らない人が立っている。